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院長美容コラム
微量ミネラルと皮膚【図あり】
院長の野村です。
日本医師会雑誌2021年6月号の特集は、“日常診療で見逃されやすい微量ミネラル欠乏症とその治療”でした。
亜鉛・セレン欠乏症の診療指針などがとりあげられています。
掲載ページ(内容を読むには医師会ログインが必要です)
https://www.med.or.jp/cme/jjma/newmag/15003/15003.html
形成・美容領域では、
・亜鉛や銅の不足は創傷の治癒を遅らせる。(コラーゲン合成が低下する)
・遷延する炎症後色素沈着には、鉄や亜鉛不足が関与していることがある。
などの報告があります。
あるミネラルを補充すると他のミネラル吸収に影響を及ぼすことがあるので注意が必要です。
例えば、亜鉛を過剰投与すると、鉄や銅の吸収を妨げます。
Fig:ミネラルサークル(Zn亜鉛―Fe鉄―Cu銅が線で結ばれています)
ミネラルサプリメントの必要性にまで踏み込むのはなかなか難しいところですが、全身状態(栄養状態)も念頭に入れて診療をおこなっています。
手術・注射時の内出血・・健康食品サプリメントの影響
院長の野村です。
血液をサラサラにする薬が手術時出血に影響を及ぼすことは、患者様自身もご存じのことが多いようです。
一方、健康食品サプリメントは、手軽に購入できることもあり、その作用や効能が十分に知られていないように思います。
臨床の場では、患者様が服用している薬はもちろんですが、サプリメントにも注意を払う必要があります。
どのような手術や注射でも、内出血のリスクはありますが、次のようなサプリメントを服用している場合は、そのリスクが大きくなる可能性があります。
・ビタミンE
・オメガ3、EPA・DHA
・ニンニク
・しょうが
・薬用にんじん
・イチョウ
当院の問診票には、常用薬の他、サプリメントを記入していただく欄があります。
ご協力をお願いいたします。
新型コロナウイルス感染症対策・・ビタミンD
院長の野村です。
COVID-19対策として、ビタミンD(VD)の可能性が挙げられています。
VDは、免疫機能と関係があり、以前から、インフルエンザ感染や上気道炎の予防についての報告がありました。
抗加齢医学会誌(2020 Vol16 No3・No6)には、COVID-19対策としてのVDについて記載があります。
一部ですが、
・血液中VDが低値だと感染リスクや重症化リスクが高まり、予後不良である。
・日本も含め、世界的にVD不足の傾向にある。
・活性型VDではなく、前駆体であるビタミンD3を摂取する。
・1日あたりの服用量は1000-3000IUが目安。
(可能であれば、検査をおこない、血液中25(OH)D濃度で40-80ng/mlを目標にする)
“COVID-19の感染予防”のエビデンスは十分ではないかもしれませんが、
VD不足になりやすい生活をおくっている方は1000IU程度の摂取はした方がよいと考えます。
ビタミンD情報サイト https://vitd.info/
トレチノイン・ハイドロキノン ー ZOスキンヘルス
院長の野村です。
ホームケアで肌をきれいにする方法のうち、
間違いなく上位にランキングするのがトレチノインによるスキンケアです。
トレチノインはビタミンA誘導体で、
・皮膚のターンオーバーを促進・・シミの改善
・コラーゲン、ヒアルロン酸産生促進・・しわの改善
・角質を剥がし、皮脂分泌を低下させる・・ニキビの改善
などの作用がわかっています。
当院では、
1.トレチノイン、ハイドロキノン、ビタミンCを併用する方法
2.専用化粧水のあとにトレチノイン、ピーリング剤入りハイドロキノンなどを使用するZO(ゼインオバジ)スキンヘルスをお勧めしています。
使い始めの段階で、皮膚の剥脱や赤みが出ますが、正しく使えば、ほとんどの場合結果が出る方法です。
にきび痕クレーターの治療
院長の野村です。
凹んだにきび痕はその形態により、分類されています。
この中で Boxcar型やRolling型では
1.トレチノインクリームを2-6週間塗布して皮膚の準備
2.炭酸ガスレーザーで 削り&フラクショナルモード 照射
3.1週間の消炎後、トレチノイン塗布を2-3か月行い凹みを盛り上げる
が最も効果的だと考えています。
(使用する炭酸レーザーはキャンデラ社のハイブリッド炭酸ガスレーザーです。)
レーザー照射後のかさぶたが約1週間、
赤みが数か月残るというダウンタイムがありますが、
フラクショナル単独照射と比べ明らかな効果の差があります。
1回の治療で、明らかな改善がわかると思います。