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院長美容コラム
微量ミネラルと皮膚【図あり】
院長の野村です。
日本医師会雑誌2021年6月号の特集は、“日常診療で見逃されやすい微量ミネラル欠乏症とその治療”でした。
亜鉛・セレン欠乏症の診療指針などがとりあげられています。
掲載ページ(内容を読むには医師会ログインが必要です)
https://www.med.or.jp/cme/jjma/newmag/15003/15003.html
形成・美容領域では、
・亜鉛や銅の不足は創傷の治癒を遅らせる。(コラーゲン合成が低下する)
・遷延する炎症後色素沈着には、鉄や亜鉛不足が関与していることがある。
などの報告があります。
あるミネラルを補充すると他のミネラル吸収に影響を及ぼすことがあるので注意が必要です。
例えば、亜鉛を過剰投与すると、鉄や銅の吸収を妨げます。
Fig:ミネラルサークル(Zn亜鉛―Fe鉄―Cu銅が線で結ばれています)
ミネラルサプリメントの必要性にまで踏み込むのはなかなか難しいところですが、全身状態(栄養状態)も念頭に入れて診療をおこなっています。
ヒアルロン酸で丸い額を作る
院長の野村です。
当院ナースの額にヒアルロン酸を注入した症例です。
術前:
眉上から、額中央あたりまで、丸みがない・・相対的に凹んでみえる、よくみる形です。(Fig1)
マーキング:最も高くしたい点を中心に同心円を描き、丸みが足らない部位を注入部位とします。
施術:
注入範囲がそれほど広くない場合は、1か所の針孔からカニューラで注入します。
アラガン社ボリューマを1cc注入しました。
施術直後:
麻酔注射による色調変化はありますが、目立つ腫れや内出血はありません。(Fig2)
施術後15日:
注入部位は馴染み、凹みは改善し、自然な丸みとなっています。(Fig3)
費用
ヒアルロン酸(ボリューマ1cc)88,000円
カニューラ 1,100円
考えられる合併症、リスクなど
腫れ、内出血、疼痛、アレルギー、炎症 など
なお当日も含め、1か月以内の同部位の追加2本目からは、20%オフとなっています。
*費用等は施術時のものです
上眼瞼(うわまぶた)の凹みの原因と対処
院長の野村です。
上眼瞼(うわまぶた)が凹んで “老けた” “疲れた” 印象を気にして来院される患者さんがいらっしゃいます。
出典:Aesthetic Surgery Journal ~ November/December 2006
Volume 26, Number 6 ページ720
Managing Postseptal Fat in Periorbital Rejuvenation: Anatomic Intraorbital Replacement Using Passive Septal Tightening
よくある原因として、
上眼瞼の脂肪が減る
いくつかの脂肪組織があり、年齢とともにこれらが減ることで、うわまぶたが凹みます。
→注入治療を検討します
(専門的な話ですが、眼窩脂肪量の加齢変化には諸説あります。)
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まつ毛育毛剤
グラッシュビスタ、ルミガンなどの長期使用で脂肪が減り、眼瞼溝深化をきたすことがあります。
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加齢やコンタクトレンズ
加齢やコンタクトレンズ長期使用者などにみられる腱膜性眼瞼下垂(瞼が十分開いていない)では、上眼瞼挙筋(腱膜)と、その上の眼窩脂肪が後退し、上眼瞼が凹みます。
→手術の適応です
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眉毛があがる結果
眉毛があがる結果として、上眼瞼が凹みます。が、このことに気づいていない患者さんがいらっしゃいます。
無意識に眉毛をあげてしまう方や、目を開けるときに同期して眉毛もあがる方に多い傾向にあります。
→眉毛の挙上制限が辛くない場合はボトックス注射を行います
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上眼瞼の変化は局所的な問題だけではないこともあり、注意が必要です。
顔から首への移行部位に関する相談を受けることがあります
院長の野村です。
顔から首への移行部位に関する相談を受けることがあります。
この部位の解剖です
浅層から、
❶ Skin 皮膚
❷ Subcutaneous fat 皮下脂肪
❸ Platysma muscle 広頚筋
❹ Subplatysmal fat 広頚筋下脂肪
❺ Submandibular gland 顎下腺
❶皮膚のしわ・たるみに対しては、PRPや照射系治療
❷皮下脂肪の蓄積に対しては、吸引や脂肪分解デオキシコール酸注射
❸広頚筋のつっぱりで顔と首の境が明瞭でない場合はボトックス注射
❺顎下腺に肥大にたいしては、適応を選んでボトックス注射
などの治療があります。
原因を見極めたうえでの治療が大切です。
下顎部ヒアルロン酸注入点とエンドポイント
院長の野村です。
下顎部が後退している(または後退してみえる)状態を改善する治療法のひとつにヒアルロン注入があります。
整った下顎とされるいくつかの数値を指標に、レントゲン上で示すと、PogからGnの間あたりに注入します。
♦レントゲン写真(他サイトにリンク)
https://www.researchgate.net/figure/A-conventional-digital-cephalogram-and-the-landmarks-used-in-this-study-see-Table-1-for_fig1_261187579
Pog:下顎オトガイ隆起の最突出点
Gn :顔面平面と下顎下縁平面とのなす角の2等分線がオトガイ隆起と交わる点 (PogとMeの中点)
Me :オトガイの最下点
Pog注入は下顎を前に出す、
Gn注入はフェイスラインの延長線上で前に出すイメージです。
後退した下顎は前に出すと、正面視では少し長くなったようにみえることがあります。
また皮膚の伸び具合や脂肪層の状態などによる効果の限界があります。