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院長美容コラム
皮膚老化―光老化・酸化・糖化・常在菌
院長の野村です。
皮膚は“日光と大気に直接触れる組織”で、こららの影響を強く受けます。
⇒ 対策としては、サンスクリーン剤の使用や抗酸化物質の摂取・外用です。
糖化は“体内の余分な糖質が、タンパク質と結びついて細胞を劣化”させる現象です。
皮膚が糖化すると、色調のくすみ、しわ・たるみが生じます。
⇒ 糖化抑制のためには、血糖値を急激に上げない食品を選んでください。
特に食後1時間程度までの血糖値が上がらないようにします。
GI値(グリセミックインデックス)が低い食品を選んで食べることが一方法です。
外部サイト:大塚製薬 血糖値とGIの関係性
https://www.otsuka.co.jp/health-and-illness/glycemic-index/glucose-level/
ある種の皮膚常在菌が、皮膚の見た目(毛穴、メラニン)にも
影響を及ぼしていることを示唆する報告がありました。
⇒ 常在菌と皮膚疾患との関連性についての報告は数多くありますが、
美容的な影響についての研究は始まったばかりです。
腸内フローラを整えることの重要性と同じようなことがあるのかもしれません。
日常生活でできそうな、皮膚老化対策について書きました。
首の横じわの治療
院長の野村です。
首の横じわの治療には、
多血小板血漿(PRP)注射や照射系治療などがあります。
首は皮膚が薄いため、ヒアルロン酸を注入すると、数珠変形やチンダル現象といった合併症が起こりやすく、積極的にヒアルロン酸注入をすることは少なかったように思います。
当院では、ビタミンやミネラルも配合された柔らかいヒアルロン酸を真皮内に超極細針で注入し、前記した合併症を予防するように心がけています。
非常に繊細に-数ミリ毎に注入する手技です。小さな針跡と多少の内出血が数日間程度残ることがありますが、これは、コンシーラーで隠せる程度です。
施術直後に結果が分かることもあり、好まれる患者さまも多い治療法です。
僧帽筋ボトックス ネックカーブボトックス(施術前後の写真あり)
院長の野村です。
首から肩にかけての形は僧帽筋上部が関係しています。
ウィキペディア「僧帽筋」
http://i.r.cbz.jp/cc/pl/bdde4969/arafcsfotzjk/l5lfsr2n/
2006年ごろから、この部分の筋・筋膜性疼痛に対し、
ボツリヌス注射をする報告が出始めました。
その後、同部位への注射で、僧帽筋が小さくなり、
首が長く見える効果があることもわかってきました。
国際美容外科学会誌で、Zhou RRらから、
両側僧帽筋にボツリヌス注射を行なったときの効能や
安全性についての報告がありました。
efficacy and safety of botulinum toxin type a injection in patients with bilateral trapezius
Aesthetic Plast Surg. 2018 Dec;42(6):1664-1671
30症例を検討した結果
形態については、28症例で改善有り、2例は術前と変わらず。
副作用は2例で、肩をすくめる力が軽度弱くなったと感じた。で、
著者は、僧帽筋へのボツリヌス注射を安全でよい方法と結論づけています。
形態を改善することを目的とした
“僧帽筋ボトックス=ネックカーブボトックス”の報告を紹介しました。
当院でも、数年前から行っている治療です。
傷がキレイに治る方向(イラストあり)
院長の野村です。
手術時に皮膚切開を加えるときには、
あとで、傷跡が目立たないように注意します。
具体的には、
RSTL(relaxed skin tension line リラックス スキン テンション ライン)
に平行な切開線になるようにします。
下の身体図の“線の方向”がRSTLです。
(From Trott A. Wounds and Lacerations: Emergency Care and Closure, 2nd ed. St Louis, Mosby, 1997; and Burns JL, Blackwell SJ. Plastic surgery. In Townsend CM, Beauchamp RD, Evers BM, Mattox KL [eds]. Sabiston Textbook of Surgery, 18th ed. Saunders-Elsevier, Philadelphia, 2008.)
外傷によるものでも、総じて、RSTL方向の傷跡は目立たちにくくなるのです。
不運にも、この線とは異なる方向の外傷を負った場合には、傷跡が目立ってしまうことがあります。
このような場合には、Z形成術など、目立たなくする方法があります。傷跡修正に関しては今後のドクターズコラムにてお話しします。
ニキビ治療のまとめ
院長の野村です。
本来、毛穴を通って、皮膚表面をカバーする皮脂が、
1.毛穴で詰まって、
2.皮脂が酸化して、
3.さらに菌がついて・・
がニキビの発生です。
上記のような原因に対して、
当院では以下のような治療を行っています。
1.角質の正常化(毛穴の掃除)
…トレチノイン ケミカルピーリング
2.皮脂が酸化して発生する活性酸素対策
…ビタミンC誘導体
3.ニキビ菌を減らす
…抗生物質
中等―重症例や なかなか治らない例では、
4.皮脂分泌量を減らす
…イソトレチノイン内服
レーザーや光治療も選択肢ではありますが、
上記の1−4を上手に組み合わせれば、
ほとんどのニキビは治せます。
世界的には標準治療でありながら、
日本では認可されていない治療薬もあり、
これらは自由診療となります。