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院長美容コラム
続☆顔の基準線と非対称性
院長の野村です。
前回(2022.2月配信号)のメルマガの続きです。
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Aesthetic Plastic Surgery誌. 2022年2月号に
“顔の非対称性を評価するための基準線”に関する報告がありました。
Fig1 Fig2
(a)眉間中央から、上唇中央に縦実線を描き、それに直行する横点線を描く。
(b)左右の黒目中央を結んだ線を横実線で描き、それに直行する縦点線を描く。
(リンク先外部サイト)Aesthetic Plastic Surgery誌 2022年2月号
Fig2
基準とした縦線から各パーツまでの長さが同じになれば、“対称”に近づきます。内・外眼角部や鼻翼外側部、口角までの距離の他、
midface width:縦線から頬部の最外側の距離
mandible width:縦線から下顎外側の距離
などを診ています。
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(a)と(b)では左右の顔の大きさ(ボリューム)の見え方が違うと思います。
正面顔に加え、下からあおった顔の左右差(頬の高さなど)なども参考にして治療をおこなっています。
引用:Ideal Reference Lines for Assessment of Facial Asymmetry in Rhinoplasty Patients
Kun Hee Lee ,et al Aesthetic Plast Surg. 2022 Feb;46(1):321-328.
顔の基準線と非対称性
院長の野村です。
顔の非対称は、時に、美に悪影響をあたえることがあります。
全体の対称性やパーツのゆがみを診るときは、“基準線を決める”ことからはじめます。
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Aesthetic Plastic Surgery誌. 2022年2月号に
“顔の非対称性を評価するための基準線”に関する報告がありました。
Aesthetic Plastic Surgery誌. 2022年2月号
https://www.semanticscholar.org/paper/Ideal-Reference-Lines-for-Assessment-of-Facial-in-Lee-Kang/bc8a80796505317119fa8040fb1d320e65275b9a
Fig1(上記リンク先ページの写真)
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a:眉間中央から、上唇中央に縦実線を描き、それに直行する横点線を描く。
b:左右の黒目中央を結んだ線を横実線で描き、それに直行する縦点線を描く。
aでは鼻のゆがみが、bでは口から下顎のゆがみが目立ちます。
a.b それぞれで、基準縦線を中心線と考えた場合、“左右差”が大きく異なります。
(Ideal Reference Lines for Assessment of Facial Asymmetry in Rhinoplasty Patients Kun Hee Lee ,et al Aesthetic Plast Surg. 2022 Feb;46(1):321-328)
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ヒアルロン酸による鼻・顎形成や 顔の対称性を目的とする注入では、基準線の決め方によって、注入位置がかわります。
コラムVol38 きれいな下顎をつくる-その2 でも触れた内容です。»
施術結果と “患者様がもっている自身のイメージ” の間にギャプが生じない基準線を決めることがポイントです。
形成外科診療ガイドライン2021年版【肝斑治療】
院長の野村です。
2015年の初版から6年ぶりに第2版が発行されました。
本コラムVol.55(2016年3月配信)でとりあげた肝斑治療も改訂されました。
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2021年版での肝斑治療 “推奨の強さと根拠”
1 A :4%ハイドロキノン外用、トレチノイン外用
1 B :トラネキサム酸の内服や注射、ビタミンCの外用
2 C :光治療(IPL)、低フルエンスQヤグ・アレキサンドライトレーザー
2 D :ピコ秒レーザー
その他のレーザーは、“なし D”に分類されています。
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推奨の強さについて
1 : 強く推奨する
2 : 弱く推奨する(提案する)
なし : 推奨の強さを決められない
(推奨の強さは益と害のバランス、患者様の価値観や希望、負担、コストなどを考慮して決定されています。)
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エビデンスの強さについて
A(強い根拠) :効果の推定値に強く確信がある
B(中程度の根拠) :効果の推定値に中等度の確信がある
C(弱い根拠) :効果の推定値に対する確信は限定的である
D(とても弱い根拠):効果の推定値がほとんど確信できない
前回同様、推奨上位は内服と外用となっています。
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実際の診療にあたっては、このガイドラインを参考にしながら、皮膚の状態はもちろん、患者様のライフスタイルなども考慮して治療方針を話し合い決定します。
口唇ボトックス・・表情じわ、高さ(厚み)、反り返り【写真あり】
院長の野村です。
唇をすぼめるときに生じる縦じわに対して、ボトックスを注射することがあります。
これにより、表情じわの改善のみならず、口輪筋表層部の拘縮がなくなり上口唇の少しの厚みと赤唇部の反り返りが得られます。
が、口の機能に関わる合併症もあるので注意が必要です。
ボトックスの量はやや少なめですが、同じような注射法で、30才前後の3人(女性2名、男性1名)の上口唇の変化を調べた報告がありました。
Li Y,et al. The use of botulinum toxin A in upper lip augmentation. J Cosmet Dermatol. 2021;20(1):71-74.
写真を見る>>https://i.r.cbz.jp/cc/pl/bdde4969/t4g2pyz1r7w9/l5lfsr2n/
結果は
・上口唇赤唇(粘膜部分)は 1.2-2mm程度高くなる。
・上口唇白唇(皮膚部分)は 0.7-1.3mm程度短くなる。
(人中は短くなる。)
などでしたが、やはり、程度の差はあるものの機能上の合併症を生じたとのことでした。
効果持続期間や合併症などを考えあわせて、ボトックス注射とヒアルロン酸注入の適応を選ぶことが重要です。
ガミースマイル分類とヒアルロン酸注入【写真あり】
院長の野村です。
笑った時に歯茎が過度に露出する状態をガミースマイル Gummy smile とよんでいます。
一般的には、歯がすべて見える~歯茎が1-2mm見える程度がよいとされています。
Aesthetic Plastic Surgery誌 2021年2月号で、ガミースマイル分類システムとヒアルロン酸注入による治療に関する報告がありました。
(Gummy Smile: Mercado-Rosso Classification System and Dynamic Restructuring with Hyaluronic Acid Jorge Mercado-García,Manuel Fernández Aesthetic Plastic Surgery volume 45, pages2338–2349 (2021)
写真を見る>> https://link.springer.com/article/10.1007/s00266-021-02169-8/figures/3
Type1.
上口唇白唇部分が薄く、スマイル時に皮膚が折れかえり、溝ができてしまう
Type2.
白唇部の厚みは正常だが、上口唇挙上筋群に原因がある
Type3.
頬筋群も強く、口が側方にも大きくひらく
上記の症状に応じて、ヒアルロン酸を注入、抵抗をつくり、ガミースマイルを改善する、というものです。
ガミースマイルにはいくつかの治療法がありますが、当院では、主にボトックス注射治療をおこなっています。